礼拝空間は整ったプロポーションと連続縦長窓が特徴

建物正面は左右対称のデザインになっており、中央部の矩形と左右の柱を手前に出し、建物の顔に凛々しい奥行きと表情を与えています。礼拝前の日曜の午前の訪問でしたので、その右脇にある木製の両開き扉が開いており、来訪者を迎え入れてくれます。扉の横にある定礎には1966とあります。ちょうど50年が過ぎた教会堂であることがわかります。

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 玄関にて靴を脱ぎ、礼拝堂に入ります。床は木製のフローリング。建設当時から変わらないそうですが、表面には傷があるものの下地の劣化を感じないしっかりとした床です。礼拝所に入ると、想像していたよりも広い礼拝所が広がります。まず目に入るのは、左右の壁に並ぶ縦長の窓です。その窓は床から天井まで届く窓となっています。全面ガラスが入っているわけではなく、その縦長の開口部が小さな窓で5分割されています。小窓が縦に積み重なって1つの細長いスレンダーな窓となっています。外壁側の壁にはその細長窓が複数設置されているので、窓→壁→窓→壁→窓→壁…とリズミカルに連続しているのが印象的です。また、上に視線を移すと、天井は屋根に沿うように勾配がついています。横幅の広い礼拝所は、ややもすると、上下につぶれたプロポーションになってしましますが、この勾配天井により広がりを与えられ端正な内部空間を形成しています。その勾配天井に呼応するように祭壇の左右側壁に角度が付けられており視点が祭壇に集中するよう計算されたデザインとなっています。

鈴木貴詞